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Windows11のOneDriveを深掘り-v25H2

(2025年12月20日)

 Windows 8以降の PCは Microsoftアカウントで起動すれば 、5GBのOneDriveがクラウドに提供されます。私は2025年春に Windows11を購入しましたが、そのバージョンは「24H2」でした。その後2025年秋に「25H2」にバージョンアップされており、若干の仕様が変更されていました。ただ、OneDriveの振る舞いは前バージョンと基本的に同じで、新PCを立ち上げもまずネットに接続することから始まり、MicrosoftアカウントでサインインするとOneDriveは勝手に動き出して特異な振る舞いを始めます。
 具体的には、初代Windowsからデフォルトで存在する 6つのデータフォルダの内、「デスクトップ・ドキュメント・ピクチャ」の3つがクラウドのOneDriveに移動し、「ダウンロード・ミュージック・ビデオ」の3つが PC内に残ります。Microsoftはこの機能を「フォルダの自動バックアップ」と呼んでいます。
 一般の人にとってこんな OneDriveの振る舞いは、ファイルやフォルダの操作をややこしくするだけで、まったく困った機能でしかありません。Microsoftの意図はわずか 5GBのOneDriveを直ぐに満杯にして、追加料金を請求する仕組みでしょう。「フォルダの自動バックアップ」も Microsoftアカウントのサインイン時の1回限りで、PCに戻した3つのフォルダは 2度とOneDriveにアップロードされることはありません。
 ただ、バージョン「25H2」で大きく変わったことは、OneDriveにアップされた3つのフォルダをPCに戻す作業が「24H2」版で述べた方法と大きく変わることです。このページ「25H2」版は 理屈はやや難しいですが操作そのものは単純です。

<OneDriveの「自動バックアップ」の挙動を解明>
 2024年春ごろまではPCの初期セットアップ時に右図の画面が出て、「このPCにのみファイルを保存する」を選択すれば、3つのデフォルトのフォルダの移動を阻止できました。ただ、文字が小さく意味も分かりにくいし、多くの人はこの設定を見逃していたようです。
 今ではこの記述はなくなりWindows11の新品をインストールすれば、例の3つのフォルダは必ずクラウドのOneDriveにアップロードされてしまいます。私はクラウドに移動した3つのフォルダをPCに戻した後の動きが気になり、OneDriveのアンインストールとインストールを繰り返す実験を続けてみました。結果は、PCに戻した3つのフォルダの動きに変化はまったくありません。
 そこで、OneDriveが 3つのフォルダをクラウドにアップする動作は、Microsoftアカウントでサインインする初回の1回だけであるという仮説を立てました。その後も同じことを何回やっても結果は同じです。OneDriveによるフォルダの自動バックアップは、Microsoftアカウントの初回サインイン時の 1回限りである、言い換えれば PCの生涯でただの 1回だけ「3つのフォルダを自動バックアップする」ことを突き留めたといえます。

<デフォルトのデータフォルダ 6つの保存場所を確認する>
 各自のPCで 6つのデフォルトのデータフォルダの存在場所を、エクスプローラを使って確認しておきましょう。下図左欄で「C:ドライブ」 ~ 右欄に移って「ユーザー 」~ 「個人ユーザ名 (ここではyoshi」と、エクスプロ―ラでたどった先を見てください。ここには左欄の赤枠で囲った「ダウンロード・デスクトップ・ドキュメント・ピクチャ・ビデオ・ミュージック」(これらはクイックアクセスといい 働きはショートカットにほぼ同じです)と同じものが 6つあるはず。すなわち、その実体が右欄の「yoshi」フォルダにあるはずです。
 ところが、新品のWindows11では下図右欄のように「デスクトップ・ドキュメント・ピクチャ」の3つがクラウドのOneDriveに移動して、「ダウンロード・ミュージック・ビデオ」の3つが PCに残った状態になっています。 
 以降は、このようなことを頭において必要な操作をします。
 

<OneDriveに移動した3つのフォルダをPCに戻す>
 新バージョン「25H2」では OneDriveに移動した3つのフォルダをPCに戻す操作の記述を大きく変えました。この理屈はやや難しいですが 操作そのものは単純です。「25H2」では 旧バージョンで記述した操作方法が使えなくなったのです。
 下図左はエクスプローラを開いてOneDrive-Personalを選択した図です。その直下に「デスクトップ」「ドキュメント」「ピクチャ」の3つのフォルダがあるということは、この3つは OneDriveに移動していること示しています。そして残りの「ダウンロード」「ミュージック」「ビデオ」の3つが PCに残った状態になっています。

 以下にOneDriveに移動した3つのフォルダを、PCに戻す新しい手順を説明します。下図左の左欄はその中の1つ「デスクトップ」をマウスで選択した図であり、下図左の右欄は「デスクトップ」の中の任意の1つを選択した図になっています。さらに「Ctrl+A」で全ファイルを選択します。
 全ファイルを選択した状態で右クリックし、メニュー「このデバイス上に常に保存」をクリックします。この操作は大きな意味を持ち、OneDrive上にもPC上にも同じデータをおくということです。つまり、OneDrive上にのみにあったデータをPC上にもおくということです。この操作をしてしばらく待つと、下図左の右欄の「状態」マークはすべて緑地に白のチェックに変わっていきます。
 同じ操作を「ドキュメント」「ピクチャ」でも繰り返えせば、3つのフォルダを PCに戻す操作は終わりです。これで下図左の左欄の PCの上の6つの「クイックアクセス」も正常に働くようになります。

 OneDriveでよく見る「状態」マークを上図右に示します。上から順に意味を説明します。白地に雲マークはデータがクラウドにあること、白地に緑のチェックマークは今はPC内にもあるが やがてクラウドに戻ること、緑地に白のチェックマークは常に PC内とクラウドの双方にあること、矢印マークはデータが同期中(アップorダウン中)であることを示しています。

<OneDriveのリンクを解除する
 OneDriveにアップされたフォルダが PC上に戻れば、リンクを解除しておくことをお薦めします。具体的な操作は下図上の「OneDriveの設定」画面で、「アカウント」~「このPCからリンクを解除する」とたどります。次に出る下図下の画面で「アカウントのリンク解除」クリックします。


 リンクを解除しても「デスクトップ」「ドキュメント」「ピクチャ」の3つのフォルダはOneDriveに残ったままです。ブラウザを使ってOneDriveにアクセスしたときなどに削除しておきましょう。

<OneDriveをアンインストールする>
 クラウドのOneDriveに移動していた3つのフォルダが、PC内の本来あるべき場所に戻り正常な状態なりにました。一般にPC 1台という人は 今後は OneDriveを使うことはまずありえないので、直ちにアンインストールしましょう。ただし、OneDriveのアンインストールはMicrosoftアカウントのリンクを解除した後にします。また、いつでも「Microsoftのページ」からダウンロードして再インストールすることもできます。
 ちなみに、OneDriveアプリの正式名は「Microsoft OneDrive」です。OneDriveのアンインスト―ルの手順を下図に示します。「スタート」ボタン ~ スタート画面の「設定(歯車マーク)」アイコン ~ 「設定」画面になり、左欄の「アプリ」を選択 ~ 右欄に移り「インストールされているアプリ」を選択します。さらに下方にスクロールすると「Microsoft OneDrive」があり、ここで右方の「3点マーク」から「アンインストール」をクリックします。


<ブラウザを使ってOneDriveにアクセスする>
 OneDriveのリンクの解除やアンインストールした場合は、エクスプローラを使ってOneDriveに残っているファイルやフォルダの操作することはできません。そんなときはブラウザを使って「https://onedrive.live.com」にアクセスします。
 サインイン画面が表示されたらMicrosoftアカウントとパスワードを入力します。これで下図のようにOneDrive画面が表示され、「マイファイル」からすべてのファイルやフォルダにアクセスできます。ファイルのダウンロード・アップロード・編集なども可能です。今までの操作で「マイファイル」に残った不要ファイルは削除しておくといいでしょう。
 なお、「マイファイル」へのアップロードはエクスプローラから可能ですが、ダウンロードはブラウザによるしかありません。



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