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フォントあれこれ

(2022年11月10日)

 現代に生きる人々は新聞を見る以上に、ネット上のホームページを見る、すなわちフォントに関わる時間が多くなっているように感じます。今まで「IT情報」では、フォントに関して次のような情報を記してきました。
・ディスプレイの解像度向上で文字が小さく表示される実態への対策
・ClearTypeなど最新のフォント技術のあらまし
・ディスプレイ表示に最適なメイリオフォントの紹介
 今回は今まで触れて来なかったフォント情報を集めて、「フォントあれこれ」と題して具体的に例示して解説することにします。

<日本語の代表的な書体>
 日本語の代表的な書体は、大きく下記の4つです。
・明朝体:日本語らしい特徴的な形、縦が太く横が細い
・ゴシック体:線の太さが全て同じ、読みやすく力強い
・丸ゴシック体:角が丸いゴシック、柔らかく読みやすい
・楷書体:筆で書かれたような形、教科書や習字のお手本


<Windowsパソコンの代表的な日本語フォント>
・MS明朝・MS P明朝・MSゴシック・MS Pゴシック:Windows に当初より搭載
・メイリオ:Windows Vista から搭載
・游明朝・游ゴシック:Windows8 から搭載
・MS UI Gothic・Meiryo UI・YU Gothic UI:システムフォントといいます

 MS 明朝・MS ゴシック・メイリオは、ひらがな・カタカナ・漢字のすべてで横幅が同じで、等幅フォントといいます。MS P明朝・MS Pゴシックはプロポーショナルフォントといい、PはProportionalの意です。
 英文字では、例えば「i」と「w」の文字幅を同じにすると見栄えがよくありません。そこで文字幅を「i」は狭く、「w」は広くするプロポーショナルフォントが当たり前です。日本語の場合はプロポーショナルフォントの意味は小さく、等幅フォントに比べて文字幅は同じで文字間のみ狭くしています。

<日本語文に適したフォント>
 明朝体は雑誌や新聞で広く使用されているように、本来は紙面への印刷用の書体です。明朝体の特徴は縦線が太く横線が細いことで、太い縦線が視線を導くということで、縦書きの文章を読んだり書いたりするのに適しています。字体がすっきりとして美しいことから、パソコンでプリントアウトするときもこの明朝体が多用されています。
 ディスプレイ画面で読み書きするには、その目的で開発されたフォントがあります。その代表が「メイリオ」で、ディスプレイでの視認性がよいことから人気フォントです。また、メイリオは横組みの可視性を重視しているので、横書き中心の文書などでは利用価値が高い。さらに、Verdanaを基本に開発された欧文体のフォントも組み込まれており、日本語文の中に英文を併記してもちぐはぐ感が少ないフォントになっています。
 「メイリオ」はディスプレイでの視認性の良さから、松愛会枚方南支部のホームページや、私のメールソフト Becky! のテキスト文などにも採用しています。

<システムフォント(UIフォント)>
 Windows98から「MS UI Gothic」というゴシック体のフォントが採用されました。ここでいう「UI」はUser Interface の意で、Windowsのシステム画面の文字、各種アプリのメニューなどでの使用を前提に製作されたフォントで、システムフォントともいいます。
 「MS UI Gothic」は限られたスペースでより多くの文字を表示するため、「MS Pゴシック」に比べ、ひらがな・カタカナを 2/3 程度の幅にしています。UIフォントは「つめる」ことに特化したフォントといえます。UIフォントはその後、Windows8で「Meiryo UI」、Windows10で「Yu Gothic UI」が搭載されましたが、いずれもゴシック体で 明朝体はありません。
 下図は私の Fujitsuノートパソコンのシステム画面の一例で、メニューやフォルダの文字のフォントは「Yu Gothic UI」が適用されているようです。

 ちなみに、決まった範囲内に文字が収まらないからという理由で、文章中の一部に半角カナを使用しているのを見かけることがあります。半角カナは濁点や半濁点が分離されるなど、可読性がよくありません。その文章がゴシック体の文書であれば、システムフォントを使用すると少ないスペースで可読性も損なわれません。



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