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家庭のPCの多くはインターネットによって外部とつながっているので、不正アクセスやウイルスなどのリスクに常にさらされています。パソコンを安全に使用するために十分なセキュリティ対策をして、万が一に備えておきましょう。
PCの中に侵入して悪さをするプログラムを、私たちはウイルスと呼んでいます。ただ、これらは技術的な仕組みでいうと、ウイルス・ワーム・トロイの木馬などがあり、これらを総称してマルウェア(malware)というのが正しいようです。ただ、多くの人は これら悪意のあるプログラムをすべてウイルスと呼んでいるので、ここでもそう呼ぶことにしてウィルスに罹らない対策を考えます。
多くの皆さんは ウィルスとは何か、ウィルスがどこからPCに入って来るかなど考えないで、とにかくウィルス対策ソフトを入れておけばまず大丈夫、そう思っているのではないでしょうか。今回はウィルスの本性を見極めて、その侵入を防ぐ対策を考えてみましょう。
<一般的な自宅PCの接続図>
家庭のPCからインターネットまでの、具体的な機器配線を下図で見ていきます。それぞれの機器がどんな働きをし、そこにどんな危険があり、どんなセキュリティ対策が必要か、などを視覚的に見ていくことにします。下図は一般的な「PC」~「ルーター」~「インターネト」の配線と情報の流れ図を示したもので、左半分がパソコンの内側、右半分がルーターを介してインターネットにつながるパソコンの外側です。
下図で「パソコン内」で「ファイアウォール」とあるのは、ウイルス対策ソフトが持つ機能のひとつで、PCへ突入してくる不正アクセスを未然に防ぎます。後に詳しく述べますが、ルーターはそのものがファイアウォールであり、ウイルス対策ソフトのファイアウォールと合わせて2重のファイアウォール構成になっています。
<ルータはファイアウォールとして働く>
「家庭用 ルーターの働き」のページで説明したように、ルーターは互いのネットワークの中継をするのがメインの働きです。もう一つ、ルーターの両側の通信を制御する機能があります。それは
外部から内部への直接の通信はすべて遮断する(上図黒矢印線)が、外部への通信とその戻り値はすべて通す(上図赤矢印線)ことです。
言い換えれば、内部のPCは “仮想的” に外部インターネットに通信しますが、外部から見れば ルーターとの通信にしか見えません。これは外部からの不正アクセスを防ぐことになります。すなわち、ルーター自身がそのままファイアウォールの役目もするのです。
(注)ハードとソフトのファイアウォール ウイルス対策ソフトには ウイルスバスター・マカフィー・ノートン・ESET などがあります。ところで、Microsoftは Vistaから独自のウイルス対策ソフトの標準搭載を始めました。当初は「Windows
Defender」の名称でしたが、Windows8から「Microsoft Defender」(以降単にDefenderと略す)と改名しています。このDefenderは若干簡易版ですが、基本的なウィルス対策の機能とファイアウォールの機能を持っています。
不正アクセスは正面から突入してくるのでファイアウォールでほぼ防げますが、ウィルスはこれをすり抜けて侵入するので厄介です。ウィルスの主な侵入ルートは、Windowsやアプリなどに潜む「セキュリティホール」、メールの「添付ファイル」、ネットからの「ファイルのダウンロード」などです。
従って、ウィルス対策の基本は メーカーは セキュリティホールを減らしてウィルスの侵入経路を最小にすることです。次のような地道な作業を日々心がけることが必要です。
①-1:PCの OS(基本ソフト:Windows,MacOSなど)は常にバージョンアップする。
-2:ブラウザは常にアップデートし 怪しいURLはクリックしない。
-3:Officeなどのアプリはできるだけ新しいものにする。
②:知らない人から届いた不審なメールや添付ファイルは開かない。
③:ネットからのアプリのダウンロードは内容のハッキリしたものだけにする。
④:外付けディスクにデータのバックアップ:PCが機械的に壊れたときも含めてお奨めです。