国税庁がまとめた2022年(令和4年)分の確定申告の状況を e-Taxに焦点を当てて分析してみました。参考にした資料は「令和4年分の所得税等の確定申告状況について」です。国税庁の確定申告の最終報告書は申告期間を過ぎて約1年後に出るようで、この資料の日付は令和5年5月で報告書としては最新のものです。
e-Taxは2004年(平成16年)に住民基本台帳による運用が始まり、2019年(平成31年・令和元年)にマイナンバーカード方式が導入され、さらに2021年(令和3年)から「スマホによるQRコード認証」が始まり
e-Taxはずいぶん容易になりました。
ただ、e-Taxが始まって20年近く経った2022年(令和4年)現在で、国税庁お奨めの自宅からの e-Taxは 387万人ほどであるのに対して、未だ書面で提出する人は 800万人にのぼっています。この傾向はここ10年間ほぼ同じです。
<令和4年分の確定申告状況の分析>
令和4年分の確定申告状況の分析を、国税庁の参考資料の「トピックス」と、次項<自宅等からの e-Tax利用状況>を見ながら分析しました。
- 全申告者数は 2,295万人でここ10年間ほぼ横ばいです。
- そのうち、申告納税額がある人は 653万人、申告納税額がない人は309万人おり、還付申告が目的の人が 1,333万人いるようです。
- 全申告者数 2,295万人に対して、 e-Tax利用者数は 1,495万人で、残り35%の 800万人は書面で提出している人です。
- 税務署の確定申告会場や地方会場の利用者は 419万人で、ここの参加者はすべて e-Taxの利用者となります。
- 税理士による代理送信(主に個人事業主)と、納税者本人の自宅からの送信を合計したものを「自宅等からe-Tax」と呼んでいます。税理士による代理送信は 484万人で、本人が自宅から e-Taxで申告した人は 592万人です。
- 本人が自宅から申告したe-Taxには、ID・パスワード方式の 171万人が含まれており、「マイナンバーカード読み取り方式の e-Tax」で自宅から申告した人は 387万人に対して、未だ書面で提出する人は 800万人にのぼっています。
- (注)令和8年(2027年)2月19日追記:令和7年度分から新規のID・パスワード方式はできなくなりました。
- 自宅から国税庁お奨めのe-Taxで申告した人 387万人のうち、スマホを使って申告した人が 179万人(46%)もいるのにビックリです。残り54%は PC利用ということになります。入力する項目が多い人はPCで、入力が少なく還付目的などの人はスマホでということでしょうか。
- マイナポータル連携は、現時点では扱いが難しいので使わない方がよさそうです。
<自宅等からの e-Tax利用状況>
自宅等からのe-Tax利用による所得税等の申告書の提出人員は
1,076万人、自宅からID・パスワード方式の送信は
171万人、国税庁お奨めの自宅から e-Taxは
387万人です。
<書面提出者800万人の解析>
全 e-Tax利用者数
1,495万人のうち、自宅から国税庁お奨めのe-Taxで申告した人は
387万人ですが、書面で提出した人
800万人います。そのうち「印刷して提出」と「手書きで提出」の人は、ほぼ半々のそれぞれ
400万人です。「印刷して提出」する 400万人は用紙に印刷して届けるしかありません。この「印刷して提出」する人は、わずか 2~3分のコンピュータのログイン操作を覚えるだけで、e-Taxになるのに残念です。
税務署職員にとっては用紙で受け取ると、1枚ずつ「OCR(光学文字読取機)」で読み取って電子化する大変な作業が待っています。e-Taxが始まって約20年も経ちましたが、
e-Taxで申告する人はまだ 387万人に過ぎません。こんな人が国のコンピュータにログインする操作を習得するだけで、 e-Taxで申告する人が一挙に倍増します。